海外出店する前に最低限知っておきたいポイントは?

日本でのサロン経営に成功し、次に海外出店に目を向けるオーナーは少なくありません。
特に、都市部のサロン激戦区や全国規模で有名店にまで上り詰めたオーナーであればなおさらです。
しかし、日本と海外ではサロンを取り巻く状況が違います。
そこで、海外出店する際に知っておきたいポイントについて、解説していきます。

中国・上海では日系サロンの需要が高い

海外出店というと、欧米など美容最先端の国が最も多いかと思いきや、実は一番のターゲットは中国の中でも経済的に豊かな上海です。
中国には、理容師・美容師の免許が存在せず、誰でも“スタイリスト”になれます。
そのため、いくつかのサロンでは、お客にいい加減な技術やサービスを提供しているといいます。


その点、日本では、仕上がりの満足度に多少の差はあっても、技術やサービス自体はしっかりしています。
上海に住む人も日本人スタイリストの高い技術やサービスをよく知っていて、現地で一番人気なのは日系サロンだといいます。
また、大手デパートで展開しているサロンの価格は中国人スタイリストならば240元~、日本人スタイリストならば400元~となっています。
中国の相場から見ると、非常に高価格なのですが、それでも「金額に見合ったサービスを受けることができる」と、日系サロンには高い需要があります。
海外進出を考えているサロンオーナーが中国を視野に入れているのはこのためです。
中国人富裕層向けにサロンを展開するというのも一つの手でしょう。

海外出店前に確認しておきたいポイント

日本で軌道に乗ったサロンを、その店名のまま海外で出店する場合、最も集客しやすいのは現地に住む日本人女性です。
日本での実績や知名度があれば、技術やサービスにおいての信頼感も増すため、多少高額でも来店してもらいやすくなります。
一方、現地の女性をお客にするには、ネットや本でリサーチしても見えてこない人々の生活水準や日本とは異なるトレンドを知ることも必要となるでしょう。
それにはカフェやバーなどに出入りして、現地の人たちに聞き込むことも有効です。

また、ビジネス面だけでなく、日々変化する国際情勢にも目を向けておくと、突発的なトラブル回避にも役立ちます。

現地で働くスタッフも重要となります。
その際、日本人と現地スタッフを何名ずつにするのかもポイントです。
言語の問題だけでなく、スタッフがチームとなってつくる店内の雰囲気や店舗イメージにも関わってくるからです。
また、日本では従業員が接客をしながらスマートフォンを見たり、お客の見える位置で座って休んだりすることは御法度です。
しかし、文化の違いでそれが当然のように行われる国もあるのです。
そのため、従業員に対する教育が必要になります。

悪質なコンサルタントによる詐欺に注意

海外展開のためにクリアしなければならない労務関係のタスクは膨大です。
たとえば、契約書の不備や現地スタッフによるストライキ、文化的習慣の違いによるトラブルなど、さまざまな問題にも対応しなければなりません。
日本とは法律や暮らし方が違うため、思いもよらない課題が降りかかってくることもしばしばです。
こうしたトラブルを未然に防ぐために、サロンのほとんどが海外展開に詳しいコンサルタントと二人三脚で海外進出を進めていきます。
その際、コンサルタント選びは慎重に行わなくてはなりません。
なぜならば、悪質なコンサルタントが増えており、資金を搾取されてしまうなどの被害に遭うケースも多発しているからです。
『海外進出する=資金があるサロン』と見られ、思わぬところでカモにされてしまうのです。
詐欺に引っかからないためには、よいコンサルタントを見つけたと思っても、任せっぱなしにせず、自らもできる限りの調査を行い、危機管理を徹底することが大切です。

海外進出は、サロンの発展をかけた一大チャレンジです。
その高揚感によって、目の前のリスクをうっかり見落としてしまわないよう、冷静な判断とプランニングを行うようにしましょう。
そのためには、信頼できるコンサルタントを雇ったうえで、じっくりと時間をかけて準備することが大切です。

※本記事の記載内容は、2019年7月現在の法令・情報等に基づいています。